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書いてる人
エズナー(遺跡)
2009/10/20(火) 23:00
そうだ遺跡の話だった
上の写真はカンペチェの市場の一角。この近くからエスナーというマイナーな(世界遺産じゃない)遺跡へ行くバスが出ている。
奥にクリーム色のバスの車体が写っているのがわかるだろう。遺跡へ行くバス、と書いたが、それはこのバスではなく、ワゴン車を改造したやつに20人前後つめ込まれるという代物だ。そして遺跡へ行くバス、と書いたが、それは遺跡に行くんではなくて、別の町へ行くルートで遺跡の前を通るからついでに寄っていってくれるだけだ。こういうのは苦手なのだが仕方ない(ぼくはメキシコでしょっちゅうバスを乗り過ごしている)
上の写真の市場でクリームチーズのパンを買った。朝食だ。
30円。クリームチーズはここにいる
バスに乗る前からエスナーエスナー騒いでいたら、エスナーで無事降ろしてもらうことができた。降りる人がもう一人いたことも幸いした。
エスナー遺跡、ここから
地球の歩き方には「エズナー」と書いてあるが、ふつうのメキシコ人に「ズ」は発音できない。以前エルタヒンに行ったときに土産物屋の人から日本語を教えてくれと言われたことがあったのだが、その人も「みず」がまるで発音できなかった。
そういえば土産物の人に「飲み物」という日本語を教えたらやたらと受けていた。スペイン語で mono はサルの意だがそんなにおもしろいんだろうか。
さて、遺跡に戻ろう。案内図を見る限り、これはものすごく広いのではないかと思わずにはいられない。
空白の多さが人を不安にさせる案内板
チケット売り場から入ったところからは遺構はまったく見えない。石碑展示室を抜けると、森の中のトレイルに突っ込んでいく。
これ合ってるのか
もののけ姫とか思い出させる苔
合ってるっぽいけど遠くないか
最初のパンを少し残しておいて、ちぎって道に落としながら進んでいけば迷わないと思う。そういう童話があったはずだ。それで帰るころには熱帯の赤っぽい蟻に全部持って行かれてしまっているのだ。
こういうのを見ると安心する
と思っていたら、見えてきた。意外に近い。自宅から最寄り駅よりも近いかもしれない。
改めてエスナー遺跡、ここから
遺跡はやっぱり広かった。しばらく森の中を歩いたあとで急激に視界が開けるのですがすがしい。
青空も見え始めた。これが遺跡の醍醐味だと思う
建造物の保存状態は今ひとつなのだが、芝刈りの人がいい仕事をしている。
そういえば芝刈り以外の人にほとんど会わなかった
おそらく2時間くらい滞在したが、自分以外の観光客は3人しか見なかった。土産物の露店も出ていないので、のんびりと楽しむにはよさそうだ。見どころは「5階建ての建物」という見たまんまの名前が付けられた5階建ての建物だ。
5階建てだ
案内板の解説によると高さは31.5m。チチェンイツァのピラミッドよりもでかい。ピラミッドでなくてこのような高層建築が残っているのはあんまり見たことがない。
大きさ比較のため人が写っているものを
そしてチチェンイツァとは違って静かだ。未修復部分が多いせいもあるが、15世紀まで人が住んでいたというわりに時代に取り残され感がすごい。
倒れてからそれほど時間がたっていないと思われる倒木
イグアナもいる
マヤ文明といえばこれ、球戯場
いま見ている場所は、前半のほうに載せた案内板でいうと下のほうの真ん中やや左寄りに見えるごちゃごちゃした集合だ。ここから上のほうまであたかも何もない平原が開けているかのような描き方がしてあるが、実際は森だ。
発掘されていない箇所は見渡す限り森だ
それでも案内板の上のほうにある建造物が見られるかと思って、森の中へ踏み込んでいく。
よく迷わなかったなと自分でも思う
住居跡か何かだろうか、小さな遺構を発見
このあたりで虫がすごいので引き返すことにする。この遺跡の滞在中に見かけた観光客は数人だったが、潰した蚊は20匹くらいだ。皆様もお出かけの際は虫除けをお忘れなく。
そして再び雨に降られる
カンペチェのおしゃれな町並みを抜けてわずか1時間あまりでこれだけ雰囲気が変わる。無名なわりには見ごたえのある遺跡だった。よかったら行ってみてください、とかあんまり気軽にお勧めできる感じではないが。
帰りはこういうところで20〜30分もバスを待たねばならぬ
C is for confusion / H is for hesitation
2009/10/15(木) 23:55
洗面台に蛇口のひねるところが2つあったら、何も言われなくても片方はお湯でもう片方は水だと期待するだろう。そこに「C」と「H」が書いてあるならなおさらだ。
この洗面台の特徴は、片方が熱いお湯でもう片方がぬるいお湯だというところだ。要はどっちにしてもお湯なのだ。
ふつうは
- H → Hot(あつい)
- C → Cold(つめたい)
あるいは、ここはメキシコなのでスペイン語で
- F → Frío(つめたい)
- C → Caliente(あつい)
Cが逆の意味になることに気づいた人も多いだろう。とは言えどちらかはお湯、どちらかは水が出てしかるべきだと思う。もう一度言おう。両方お湯なのだ。
- H → Hot(あつい)
- C → Caliente(あつい)
なのだろうか。そんな二択はどうなのか。
でも片方がぬるいことから考えると、たぶん配管が近すぎるだけだろう。よかった。いや、よくない。
Pan de cazón
2009/10/14(水) 23:07
カンペチェの名物料理といえば何をおいてもパンデカソン、である。というのもガイドブックにそう書いてあったからだ。
しかしその料理の具体的な内容についてガイドブックでは一切触れられていないのだ。そこでぼくが体を張って、というほどでもないけれども実際に自分で味わって確かめてみる運びとなった。地球の歩き方はこういう細かい部分でのうっかりっぷりが一番の魅力、であればこそ自ら進んで体験したい欲求が高まるのだと言えよう。今のは皮肉だ。
料理としてはトルティーヤ(とうもろこしの粉を練って、薄く延ばして焼いたもの)を3層に積み重ねて間に具を挟み、トマトソースで煮る、というようなものだ。旅先で食べるなら、レシピがぜんぜん想像できない料理(例)とか、どうしてそういうものを作ろうと思ったのか動機が不明な料理(例)などを食べるのも楽しいけれど、恋人や配偶者と一緒だったらこういった手堅い料理をすすめたい。今のはガイドブックの気持ちだ。
ちなみにメニューによると、具は豆と鮫とのこと。マメ&サメ。今のはライム(韻)だ。
これは旅行中のメモに描いてあった絵。ぼくは日常的に字がちっちゃいとか絵がちっちゃいとか言われていて、左下に写り込んでいるのはその小ささを伝えるための人差し指なのだが、ノートが5mm罫なのでそういう配慮はいらなかったと思う。
この後ビーチに行ったときに、米にあなたの名前を書きますという商売をしている人を見かけた。ぼくもそういう方面で食っていけるんじゃないかと思った。
カンペチェ(ちょっと砦を見てくる)
2009/10/14(水) 00:07
蟻への反響は今ひとつ。
メリダからバスで約3時間、カンペチェという町まで行ってきた。上の写真はそのカンペチェの中心部付近。
カンペチェはいいところだ、という話を前々から聞いていたので、今回メリダに行ったついでに寄ってみたのだ。良くも悪くも生活臭があふれているメリダの中心街に比べると、このあたりは垢抜けた印象を受ける。ぼくはこういう風景を見るとすぐ南欧風とか(知らないのに)言ってしまうのだけれど、想像上の南欧風にふさわしいおしゃれな感じがする。確かにいい町だ。
建物の色はメリダと似ている。違うのは文字をあんまりごちゃごちゃ書いてないところ
水はけは悪い
そしてカンペチェは砦の町としても知られている。知られているのかどうか知らないけどガイドブックに書いてあった。日本でトリデと言えばたいていの人は茨城県取手市を思い浮かべるところ、ここカンペチェではトリデは砦だ。この日記もメキシコ旅行記というジャンルになっているが、別途「砦」というジャンルを作ってもいいくらい砦。我ながら何を言っているのかよくわからない。砦ってすごく砦だったりちょっと砦だったりするわけではないと思う。
宿から5分も歩けば砦の壁が見える
こちらはラ・ソレダー砦。ガイドブックの地図に載っているだけでも5〜6箇所の砦がある。かつてメキシコがスペインの植民地だったころ、このあたりは各地で採掘された銀をヨーロッパへ運ぶ輸送船の拠点だった。それでしょっちゅう海賊の襲撃を受けたので、防衛のためにこうした砦が作られたのだそうだ。
最初の砦は博物館になっている
砦の壁の上に登りたかっただけなのだが、このゲートをくぐった時点で入場料が発生するらしい。見学の順路としては先に博物館、それから砦、とのこと。ワンクリック詐欺みたいだがきっちり31ペソ(230円くらい)取られてしまったことだし、博物館も見て行こう。
マヤ時代の石碑がたくさん。おそらくレプリカでしょう
わりとカジュアルな感じの博物館。エアコンが入っている部屋が1つしかなく、他はかなり暑い。ここは早めに出て上へ登ろう、と思うが、別に外が涼しいわけではない。
登っていく。左の壁の塗り方が投げやりすぎる
登った。右手にスタジアム、奥には海
振り返るとこんな感じ。この日記の冒頭にも載せた教会が見える
遺跡と違って周りはふつうの町だし、登っても2階の高さなのでそんなに見晴らしがよいわけでもない。しかし建造物としての砦のつくりはなかなかに見ごたえがある。
敵の様子を窺うための「凹」の形のへこみ。凹という漢字はこのためにあるような気さえしてくる
こういう細い通路、わくわくする
鐘。カリブの海賊の時代にはこれで敵襲を知らせたんだろうか
ちょうどこの鐘の下あたりに門がある。いまは常時開放されているが、きっと昔は門番がいて警備していたんだろう、などと想像すると楽しい。
海のほうへ抜ける
メキシコ独立200周年までのカウントダウン。背景に砦。凹凹
海が見えてきた
海沿いの遊歩道を歩いて、次の砦を目指す。
遊歩道には大砲が
ジャックスパロウみたいなのが来た日にはこれでどーん、というわけである。そしたら向こうは向こうで撃ち返してくるのだきっと。どどーん。そう思うと21世紀のカンペチェはものすごく平和だ。
平和だけど暑い。ここはサン・カルロス砦
海側なので日差しをさえぎるものが何もない。16世紀の軍人は、こういう場所で鎧を着て警備にあたっていたのだろうか。こちらはTシャツだからまだまだだ。
そして
えええ。すいませんここでギブアップ。本気で熱中症になった。さすがにぼくもふつうの会社員なので、取手と砦の駄洒落のために命を張るほどの何というか根性みたいなものは持ち合わせていない。
そういえば、暑いところへ旅行に行くときはポカリスエットの粉末を用意していくという人もいるかと思うが、メキシコの場合はたいていどの町でもゲータレードが売っているので心配ない。日本では見かけないいろんな味が出ているので楽しい。この旅行記で初めて役に立ちそうなことを書いた。
熱中症になってしまったら涼しい場所で休息をとるのが一番。このときほどエアコンつきの宿を選んでよかったと思ったことはない。
夜の砦。夜の取手だと怪しげなイメージだが夜の砦はライトアップされる
回復したら夕食でも食べに行こう。海側にはオーシャンビューな高級ホテルとレストランが建っているのだが、内陸寄りのほうでは砦ビューな屋台街が楽しめる。今おそらく日本に初めて砦ビューというコンセプトが紹介されている。これを贅沢と言わずして何と言おう。
砦に比べて控えめなライトアップ
夜が明けたらまた砦だ。前日と違う路地を開拓しようと思って出たのにまた砦を見ることになる。砦1匹見たら30匹、みたいな感じだ。もうわけがわからなくなっている。
いちおう「展示」なので、開門前
ここにも大砲。海沿いに置いてあったのよりもかなりでかい
これはカリブの海賊をイメージしたのだろうけど田舎の残念な遊園地みたいになってしまっている
ということで2泊3日のカンペチェ砦ツアー、途中トラブルもあって尻すぼみ、実質1砦しか見ることができなかった。こんど行くときはぜひ全砦を制覇したいところ。
サン・ペドロ砦。またいつか来たい
旅行記の次回は遺跡があるよ!って毎回これは誰に訴えてるんだ。
チチェンイツァおまけ編(ハキリアリを追う)
2009/10/12(月) 12:26
中米に行くと日本では珍しい野生生物を見られるのが楽しい。コンゴウインコ、アグーティ、ハナグマ、イグアナと来て今回はハキリアリ。
こうして並べてみると地味な印象は否めないが、地球上に2種類しかいないと言われる「農業をする生き物」のうちの1種である。テレビの自然ドキュメンタリー番組などでたまに出てくるので何となく知っている人も多いんじゃないか。そいつを、今回、生で見た。楽しい。自然と、句読点も増える。誰が共感してくれるかわからない。
で冒頭の写真、観光客の多いチチェンイツァでも注目している人が少なそうな小さな遺構、その向かって左奥のほうに塀があって、さらに向こうに森が広がっているのがお分かりいただけると思う。その先で見つけた。
地面を葉っぱが動いている、ようには見えなくて、葉っぱに似た虫が動いているように見える
農業と言っても、切り取った木の葉を巣に持ち帰って置いておくだけ。そうすると菌糸が生えてくるので、それを食料にするんだそうだ。つまり、「何のために運んでいるか」とか「置いておくとどうなるのか」などといったことを彼らはまったく知らなくてよい。何も考えず、ひたすら本能の赴くままに切って運ぶ。そのほうが蟻らしくていいだろう。
後で調べたところによると、中南米ではどこにでもいるらしい。ありきたり。蟻だけに。ってそれが言いたかった。
小さくて速いのでピントを合わせるのが難しい
さんざん追いかけて手ブレしまくったあげく
ようやく追いついた。これはいい写真、だと思う
動画でどーん。これは難しい。
どっち向きに追いかけたらいいのか分からなくなる。そして無駄にハイビジョン
このあと蛇の神様が見られなかったということもあり、結果的にはここがチチェンイツァでの一番の盛り上がりどころになってしまった。どーん。
奥のほうは泉があったらしいのだが、すでに落盤で埋まっていた
ここまではジャングルの中を突き進む感じではなく、ちゃんと道が整備されている。ので、時間があったら寄ってみていただければ。
遺跡もよろしく
Cochinita pibil
2009/10/09(金) 22:47
再現性ないのに不具合とか言うとFC2に怒られそうだ
前に pollo pibil ってのを出したがそれの豚肉バージョン。Pollo がチキンで cochinita がポークだ。なので pibil は何かしらスパイシーな汁に漬けてバナナの葉っぱで包んで蒸し焼き、のような意味なのだろうけど、そこだけマヤ語なのでよくわからない。アメリカ人が日本に来たら、チキンはわかるけどタツタって何だよ、ってなるだろう。それと同じことだ。
ちょっと検索すればわかりそうなことを調べもせずにわからないと言いたい、今夜はそんな気分。
キンモクセイ
2009/10/09(金) 22:31
「#」を見てくれた皆様、ありがとうございます。平たく言えば不具合です
キンモクセイの香りがすごい。子供のころトイレの芳香剤のにおいとして定番だったので、今でもキンモクセイのにおいがするとトイレを連想する。
今ではトイレの芳香剤にもラベンダーとか森の香りとかいろいろあるが、それもいずれはトイレのにおいとして定着してしまうだろう。そうなればまた別のにおいを探さねばなるまい。次世代の芳香剤は何だろう。
肉か。トイレで焼いた肉のにおいがする22世紀。
もしくは肉を食べるたびにトイレを思い出す23世紀。
どっちも実現しないと思うけど念のため反対しておく
チチェンイツァで羽の生えた蛇の神様に会いたかった
2009/10/07(水) 23:07
この日記をロシアから見ている人がいた。ズドラストヴィーチェ
ええと、メキシコ南東部にある古代マヤの都市遺跡チチェンイツァ。ここで春分の日と秋分の日の年2回だけ、古代マヤの天文観測技術を象徴するような現象を観測できるという。今回はそれを見に、秋分の日を狙って行ってみた。
説明しにくいことが起こります
テレビで「この後、驚愕の事実が明らかに!」などと言ってCMになるパターンがよくある。ぼくはああいうの苦手なのだが、今回はほんとに説明しにくいのだ。
まずは場所を確認しよう。ユカタン州のほぼ中央、メリダからバスで2時間半ほどだ。遺跡自体は有名なので、写真や映像で見たことがある人も多いんじゃないだろうか。
このピラミッドに見覚えはありませんか
このピラミッドの北側の階段には天から降臨する蛇の像が彫られている。春分の日と秋分の日の年2回、夕方になると西日がピラミッドの段の影を蛇の胴体部分に映し出し、蛇の像に羽が生えたように見えるという仕掛けになっている。わかりにくい説明で申し訳ないが何を読んでもこういう書き方しかされていないのだ。そしてまさにこの日が秋分の日。
蛇の像というのがこれ
写真向かって右が西。白い線で示した部分に影ができる予定
それだけ?と思われた方は残念だがそれだけだ。それだけを見るために世界中から観光客がやってくるのだから仕方ない。ぼくもそれだけのために成田から片道18時間かけてたどり着いた(待ち時間除く)。「太陽の運行に伴う現象を見に遠くまで出かける企画」に最近ちょっと悪いイメージがつくような事件も起きたが、これがマヤの時代には神聖な儀式で、この影が見えたら春は種まきをする、秋は収穫をする、という目安になっていたのだそうだ。
つまり太陽の方角を正確に測定する技術が前提、その上でこれだけのでかいピラミッド(25mもある)を測定したとおりに正確に建てる建築技術、が使われていることになる。素直な人はここで「えーすごーい」となる。
しかし実際には古代マヤ人だからって計算だけでどんぴしゃに建てられるわけでもないんだろう。少なくとも、実際に建築作業にとりかかる前にミニチュアを粘土か何かで作って影の形を確かめる、くらいはしていただろう。ぼくはそう思う。
うかれている
話は少し前後するが、チケット売り場には行列ができる騒ぎになっていた。言っておくがメキシコでこういった行列ができるというのは尋常な事態ではない。
影が見えるのは夕方なのに、昼前でこの盛況
入場口の係員の方から話しかけられる。だいたい以下のようなやりとり。
係員「日本人?NHNだ」
ぼく「NHN?」
係員「NHNじゃなくて、何だっけ、NHKか。NHK」
ぼく「NHKって日本のテレビのですか」
係員「うん。あと、たけし」
ぼく「たけしとNHKが一緒に来たんですか」
係員「そうそう」
スペイン語でのやりとりなのだが、係員の人がだんだん片言になってくる。たけしというのはあの世界の北野のことだろうけど、NHKでそんな番組あったっけか。
それはさておき、写真を見て天気が今ひとつであることに気づいた方は多いと思う。太陽が出てこないと影も何もあったものではない。晴れと曇りがめまぐるしく入れ替わる空の下、とりあえず写真を撮る。
自分を境目にして右が曇り、左が晴れ。霊能者に見せたら何か言われそうだ
こちらはピラミッドの東側。周りがお祭り気分満載の中で仕事をする発掘の人たち
日が傾くまでにはまだだいぶ時間がある。ひとまず遺跡内を見て回ろうか、と思ったそのとき。
わー。ふーられたー
天気も人も、まるで落ち着く気配なし。夕方には晴れてくることを祈るしかないんである。こればっかりはどうしようもない。傘とカメラを出したりしまったりしながら、見どころを、あるいは見どころでないところを、駆け足で紹介しよう。ちゃんとした写真や解説が見たい人は「Chichen Itza」で検索すればたくさん出てきます。
マヤ文化圏で各地に見られる球戯場。生贄を決める神事に使われた
骸骨の神殿。インディジョーンズに出てきそうだ
ピラミッドから北へ徒歩2分、聖なる泉。こちらでも人間を生贄として放り込んでいたそうで、古代マヤけっこう怖い
生贄の心臓を切り出してこの上に置いたとか、もうそんな話ばっかり
そういった雰囲気の中でナタを置きっぱなしにして気軽にどっか行ってしまう作業員がいたりする。
逆に考えると今は平和なんだ
おみやげの露店も書き入れ時だ。
延々と連なる露店
とはいえ互いに言葉が通じないという前提で売るので、それほど営業攻勢はきつくない。「にーちは!」「やすり、やすり」「何をさますか!」「イチロー!」と、エキゾチックな日本語も飛び交う。飛び交う、というか一方通行。どう反応したらいいのかわからない、これが異国情緒というものだ。
天文台。今後の天気、まったく読めない
いよいよです
スタートへ戻ってきた。いろんな人の話を総合したところでは、(晴れれば)午後5時にきれいな影ができるということで、概ね16:30くらいを目安に戻ってきて待てばよかろう、とのことだった。
本来はそういう情報はこっちに来る前に調べておくほうがいい。空き時間にちょっとネットで調べとけばいいや、ってなことも外出先ではままならないのだ。ちなみにぼくはメキシコの秋分の日が9月22日だということも出発の数日前に知った。冒頭に「秋分の日を狙って行った」と書いたがまんまと狙いを外すところだった。何事も準備が肝心だ。
人が集まり始める
お、晴れてますね。人の影も濃く見えている。この後の天気も油断ならないが、とにかく待つしかない。
ところで皆さんご存知のことと思うが、晴れると暑い。
木陰に退避します
人にうもれる
見えるように前へ出る。アメリカ人はすぐ脱ぐ
日本人は傘をさす
階段のところ、ちょっとだけ影が波打っているのがお分かりいただけるだろうか。じわじわと日が傾き始めたのだ。こちらも太陽のようにゆっくり前へ出る。
上のほう、蛇の尻尾の形ができ始めた
このへん。白いところを見てください
予想はしていたがやはり地味。照りつける日差しの中、ピークまであと20分ほど。蛇の神様は降りてくるのか。
世界が注目
だめでした
さんざん引っ張っておいてこれか。いや、現場にいたらきっとこのがっかり感を共有できたに違いない。
太陽が雲に隠れた。このとき16:46
影も消えました。あーあー
ほんとに最高のピークに達する直前で曇ってしまった。そしてこの場にいなければ味わえない微妙な雰囲気。ため息、半笑い、あきらめ、いろんな人の感情がいろんな方向に散らばっていくような印象を受けた。
来たときと同じように、そぞろに散会
あきらめきれない人たちも
この雰囲気を味わっただけでもよしとしたい。また日食と違って、年に2回はチャンスがあるのだ。
締めます
そんなわけで最後は残念な結果に終わったが、こんなふうに年2回空模様を気にしていたであろう古代マヤの人々にも少しだけ思いを馳せることができた。そして何かを気長に待つのは、それはそれで楽しい。遺跡はかっこいい。こんなもんでいいでしょうか。
がっかりするようす
続きは来年の3月、春分の日に。







